【完全版】 新諸国物語
    
 第1巻  第2巻
    北村寿夫  末國 善己 
       轄品社 発行

      第1巻 白鳥の騎士 笛吹童子
      外伝笛吹童子 三日月童子 風小僧
      第2巻 紅孔雀 オテナの塔 七つの誓い

      函館市中央図書館蔵
 戦後の昭和20年代前半ころ、ラジオが娯楽であり、情報源だったころ、小学校から帰り夕飯前頃は、この物語を聞くのに熱中していた人は多いのではないだろうか。
「ヒャラリハヤラリコ、ヒャリロヒャラリロどこで吹くのか不思議な笛だ」という歌の文句、福田蘭堂作曲、おとわゆりかご会の歌は覚えているが、あれだけ楽しみにして毎日聞いていた物語の内容が記憶から消えている。
 図書館の新刊コーナーを見たら新諸国物語とあり、なつかしく手にとってみた。ずっしりと重い600ページの本で、白鳥の騎士、笛吹童子とあり、読んでみることにした。
笛吹童子の物語を読んだ、丹波の満月城が赤柿玄蕃に囲まれた時に始まる室町時代の話で、満月城の家臣上月右門の一家と、城主の双子の子萩丸と菊丸(笛吹童子)、幻術使いの霧の小次郎など、満月城を取り返すことのほかに、菊丸が明国で面作りの師匠がうったされこうべの面のことなど、
白鳥党とされこうべ党の対峙で、物語が進んでいく。
敵、見方の出会いや妖術使いの出現、明国から丹波へと移動するダイナミックさなど、ラジオからの音だけで子供たちの想像力をかきたてたのであろうことがわかる、オテナの搭など、新諸国物語が続き、その後民放では赤胴鈴の助などの放送があり、ひょっこりひょうたん島などテレビ時代へ繋がっていく。
新諸国物語は、戦後の新しい時代の子供向け物語の原点だったのが、今この本を読んでみてよくわかった。
また、ストーリーの展開の速さは、現代のパソコンゲームにも通用するような
新しさを感じた。
北村寿夫という人の力量にうたれるものを感じた。