「非定型うつ病」がわかる本
    
誤解されやすい新しい心の病

     
     福西 勇夫 編著
     竃@研 発行」

     函館市中央図書館蔵
新型インフルエンザなど新型の病気が蔓延しはじめているが、精神面でも新しい形の病が増加している。非定型うつ病といわれるものが若い人、女性など、これまでまでうつ病にかかりにくかった人の中で多くなっているそうだ。
 好きなことはできるが、嫌いなことはできない。自己愛的で他罰的、他人の些細な一言に傷つく、薬物療法が効かない。などこれまでのうつ病と全く違う面を持っている。
一面わがまま病のようにもみられるが、体に鉛が入ったように動かなくなる、突然感情のコントロールができなくなって、パニック症状が起きる、など病的な症状がでる。
都心の精神科病院の30から50%がこれらの非定型うつ病だと言われている。現代の少子化社会のなかで、親はストレス社会で仕事をし、その家族で子供は「いい子」と演じ、一方過保護、放任の環境が作られた社会の中で成長してきた若者が大人になってきているのが原因のひとつではないかと見ている。
薬物療法がききにくいという非定型うつ病の症例や治療例を本書は紹介している。直るのが難しく、時間がかかるらしい。
わがまま病、気まぐれ病とも思われる症状でも、これは病気なのだという周囲の理解が必要で、拒絶感を与えないように気をつけ、夕方のさびしい感じになるのが特徴で、飲酒、過食、リストカット、自殺企画には少しの時間でも話をしてあげると落ち着き、定型うつと違い、少しの励ましは効果的だという。
本人がすると効果のあること、周囲の人にしてもらいたいこと、特に家族は荒れ狂う嵐の中の灯台のように安定して存在でいれば、患者さんは安心しやがて落ち着いていくものだと言っている。
現代のゆがみが、個人の中で病気となって現れたり、自殺、犯罪、虐待などの形で現れている。社会の姿、家族の姿が求められているのだろう。